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夏目漱石の「こころ」の紹介


 皆さんこんにちは。編集担当のYです。春分の日も過ぎて暦の上では春になりましたね。こちら熊本でも桜の花が見ごろを迎えています。

 ところで、皆さんは夏目漱石の「こころ」を読んだことがありますか?わたしが初めてこの作品を読んだのは、高校生の時でした。当時、この作品は本屋さんが集計した好きな小説第一位に選ばれていたのを覚えています。何度読んでも、「すごい」と思えるこの作品を今日は紹介します。

 私(主人公)は、高校時代に鎌倉の海岸で色白で不思議な雰囲気を持つ「先生」と出会います。先生は、人を寄せ付けない雰囲気を持つ風変わりな人で、その謎めいた雰囲気から、私は先生に興味を持ちます。

 先生は、仕事をしておらず、奥さんと二人で遺産を使って生活しているようでした。外の人との付き合いもほとんどないようで、謎に満ちていました。

 先生は、毎月誰かの墓参りに行っているようですが、そのことについて尋ねても何も教えてくれません。

 私は、先生のことを慕うようになり先生の家に頻繁に通うようになるのです。そうこうしているうちに先生の奥さんとも親しくなります。私は、奥さんに先生について色々教えてもらいますが、先生が今のような変わった生活をするに至った理由についてはつかめないでいました。ただ、奥さんによると「先生は、大学時代の親友の変死から性格が変わった。」ということなのです。

 かつて先生は私に「恋は罪だ。」「人間はいざという時に誰でも悪人になる。」と強い口調で話したことがあったから、私は「先生の大学時代に何かがあり、それがきっかけで先生は変貌した。」と考えるようになります。私は先生の過去にどんなことが起きたのか聞き出そうとします。しかし、先生は一向に教えてくれず、「時期が来たら残さず話す。」と言うだけでした。

 やがて私は大学を卒業しますが、就職先は決まらず、先生に相談するために手紙を出します。しかし、先生からの返事は一向に来ず、時間だけが過ぎます。そんな時、私の父が危篤になります。同じ頃、先生からの長い手紙が届きます。それは先生からの遺書でした。その遺書には、先生がどのようにして人間不信へ陥ったのか、また過去にどのような過ちを犯したのかが綴られています。私は、危篤の父を置いて、先生の自宅へと向かうのです。

 物語は、先生の遺書の内容へと続きます。「こころ」は、昔の作品の割には読みやすく、色々なことを考えさせられる作品なので、是非皆さんに読んでほしいです。

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