皆さんこんにちは。編集担当のYです。私が住む熊本には、とても大きな桜の木があります。それは南阿蘇の中松地区にある一心行の桜です。私も、4月1日(日曜日)に、この桜を見るために南阿蘇まで行きました。
一心行の桜、なんと樹齢は400年にもなるヤマザクラです。今は、地元の人なら誰でも知るとても有名な桜で、駐車場も整備された観光名所になっていますが、もともとは、駐車場も何もない場所にありました。ある日、夜桜中継でこの桜がテレビで取り上げられて以来一気に有名になり、今に至るのです。
その圧倒的な大きさから、「わあ、きれい。」という歓声があちこちからもれますが、桜の木の横にはお墓があります。そう、この桜は菩提樹なのです。
一心行の桜は、かつてこの地を治めた武将中村伯耆守惟冬(ほうきのかみこれふゆ)と一族の霊を供養するため植えられました。惟冬は、この地に築城された鶴翼城(かくよくじょう)に住み、熊本県の三角にある矢崎城の城代を兼任していました。
ところが、今から400年あまり前、1580(大正8)年、薩摩の島津氏との戦いで矢崎城で戦火に散りました。
残された妻子と少数の家臣は、この地に戻り、桜の木を植えて惟冬とその一族を供養したのです。その時、一心に行をおさめたため、一心行と呼ばれています。
このように考えてみると、一心行の桜も悲しげに見えますね。日本人は、花見が好きですが、それはパッと咲いてパッと散る桜のはかなげであり、潔い姿が美しいからというのもあるかもしれませんね。私も、一心行の桜を見ながら、美しさに感動しつつ、なんとなくもの寂しい気持ちになりました。
まだ間に合うので、もし興味のある方は、是非一度一心行の桜をご覧になってください。
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